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心理学ワールド 90号 私のワークライフバランス 家族の理解と協力に支えられて 牛田 好美(京都ノートルダム女子大学) | 日本心理学会

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Academic year: 2021

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バランス

私の

本企画の第 5 弾は,非常に恵ま れた親族ネットワークを最大限 に活用し,教育と育児とキャリ アアップを見事に成し遂げられ た牛田好美先生です。これほど の良好な人間関係を維持する努 力も並大抵ではなかったことで しょう。  現在,私は,同い年の夫,実母 (85歳)と三人で住んでいます。 また,歩いて1分とかからない所 に,義母(91歳)が一人で暮らし ています。  大学の教員として働いてきた期 間は成安女子短期大学,成安造形 大学,現在と合計30年以上となり ますが,それぞれの勤務先によっ て,仕事内容や生活が大きく異な りました。短大では,学生数も多 く,卒業研究は卒業制作発表会の ファッションショーでしたので, 実習授業がほとんどでした。芸術 大学では,デザイナーやアーティ ストを目指す学生と共に,寝食を 忘れ学内外を表現活動に走り回 り,記憶が飛ぶほどでした。現在 の女子大学では,時間的な余裕は ありますが,年齢的にも役職に就 くため,ストレスは一番多い状態 です。  25歳で結婚,次の年に実父が亡 くなり,29歳で第1子(長男),33 歳で第2子(長女)を出産しまし た。いずれも産後8週間の休暇明 けに職場に復帰しました。出産後 数ヵ月は実家で実母と妹が,その 後,義父母が幼子の面倒をみてく れました。この時期,どうしても 母乳で育てたかった私は,勤務先 で搾乳をして冷凍して持ち帰り, 解凍して飲ませてもらい,仕事か ら帰ると授乳をして,二人ともほ ぼ2年後の断乳まで母乳を飲ませ ることができました。離れている 時間は長かったけれど,母乳育児 が続けられたことは,私にとって 幸せでした。この頃は,定時制勤 務の夫が仕事前に送りに行き,仕 事帰りの私が迎えに行くという 生活でした。夫の実家は,車で10 分くらいのところでしたが,その 後,歩ける距離のところに引っ越 しました。  子どもが幼稚園に行くように なると,私が通勤時に子どもを送 り,実父が迎えに行ってくれまし た。この頃,定時制高校の教員で あった夫は家で夕食をとらず,私 の帰宅も遅いことから,子どもは 夫の実家で義父母と一緒に夕食を とり,その後,子どもが小学校に 行くようになると,義母が,夕食 のおかずを届けてくれました。野 菜中心で品数も量も多く栄養たっ ぷりのものでした。週末や私が家 にいる日以外は,義父が施設に入 るまで毎日届けてくれました。そ して,家では,実母が,毎日,子ど もと一緒に食事をしてくれまし た。食事の準備や子どもだけでの 食事になることを心配しなくてよ かったことは,私が安心して仕事 ができたとても大きな要因です。 実母は,私が帰宅するまでに,洗 濯などの家事もしてくれ,最も, 研究に集中できた時期でした。  40歳になる頃,大学院に進学し ました。最初は反対していた夫を 説得し理解を得ました。学ぶこと はとても楽しく,博士前期課程の 頃は,週3日は午前3時に起きて, ゼミの準備や研究に取り組みまし た。朝早く短大に行き授業準備, その後大学院で授業を受け,また 短大に戻り授業をするという日も ありました。芸術大学に勤務して いた頃は,帰宅はほぼ毎日午後11 時を過ぎました。体力的には,限 界に近かったと思います。大学院 後期課程に在籍していた頃はゼミ への出席が精いっぱいでした。女 子大学に移り,50歳を過ぎ,学位 を取得することができました。  義父は2年前に他界し,一人に なった義母は元気にしています が,毎日夫が仕事帰りに様子を見 に家を訪ねます。実母は,3年前に 転倒して骨折,入院して二度の手 術を受け介護が必要になり,退院 後は一緒に住んでいます。今は, 施設のデイサービスを利用しなが ら,リハビリに努めています。  ワークライフバランスとは,生 活と仕事の相乗効果を指すようで す。私の場合,子どもの健やかな 成長が,なによりも,仕事の励み になっていたと思います。それを 支えてくれたのは,義父母と実母 の協力でした。それらの協力はこ ちらから助けを求めたり,依頼し たからでなく,ごく自然に日々の 生活の中で手を差し伸べてくれた ものでした。振り返ってみると, 感謝しかありません。  今後も,家族と共に過ごせる時 間を楽しみながら,毎日を過ごし ていきたいと思います。

家族の理解と協力に支えられて

男女共同参画推進委員会企画 京都ノートルダム女子大学現代人間学部 教授

牛田好美

(うしだ よしみ) Profile ─ 関西大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士 (社会学)。2013年より現職。専門は社会心理学, 被服心理学,被服学。著書は『被服と化粧の社会 心理学』(分担執筆,北大路書房)など。

参照

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